SPOT 03
江戸時代の鞆の浦。船乗りたちを導いた常夜灯は、450年以上の歴史を見守ってきた。
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あなたの目の前に立っているのは、日本最大級の石造りの常夜灯です。
1859年、安政6年の建立。海中の基礎から宝珠まで、高さは約12メートル。江戸時代の港に残る石造り常夜灯としては、日本一の規模です。
鞆の浦は「潮待ちの港」でした。
瀬戸内海は、上りと下りで潮流の向きが変わります。その変わり目がちょうどこの場所です。大坂と長崎を結ぶ廻船は、風と潮を待つためにここへ入港し、夜はこの常夜灯の明かりを目指して岸へ近づきました。
灯籠の南面には「金毘羅大権現」、北面には「當所祇園宮」と刻まれています。
海の守護神二柱への奉納として建てられたこの灯籠は、港の商人たちが出航と帰還のたびに手を合わせた場所でもありました。
石に刻まれた文字に、そっと触れてみてください。百六十年前の港の夜が、指先に伝わるかもしれません。