SPOT 06
古刹福禅寺の額縁窓から眺めた景色は、400年前の朝鮮詩人をも魅了した。世界への眼差し。
字幕 / Transcript
鞆の浦の高台に立つ福禅寺。この寺は推古天皇の時代、朝鮮から伝来した観音像を祀ったと伝えられる古刹です。江戸時代には朝鮮使節も訪問し、この地の歴史的重要性を象徴しています。
福禅寺の最大の特徴は、観音堂の額縁窓『対潮楼』。この窓から眺めた鞆の浦の港の景色は、江戸時代の文人・儒学者たちを魅了しました。朝鮮の詩人・金仁謙が鞆を訪問した際、この景色に感動して『朝鮮国書翰使 対潮楼 観潮聴涛』と記した扁額が今も掲げられています。
窓の額は、まるで絵画の額のように周囲の風景を切り取ります。波打つ瀬戸内海、往来する船、常夜灯の灯火。時代によって見える風景は変わっても、この窓はいつも、人びとに『世界への眼差し』を教えてくれるのです。
400年前、朝鮮の使者がこの景色を愛でたとき、その感動は言葉として扁額に刻まれました。その言葉が今、私たちを同じ感動へと導いているのです。