SPOT 05

太田家住宅

江戸時代の豪商邸宅。白漆喰の壁に刻まれた海商としての誇りと、商家の繁栄が今に伝わる。

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この建物は太田家住宅です。国の重要文化財に指定されており、主屋は18世紀中期に建てられたものです。

かつてここは「保命酒」の蔵元でした。

保命酒は1659年、漢方医・中村吉兵衛がこの地で作り始めた薬酒です。焼酎をベースに十六種の生薬を漬け込んだ「十六味地黄保命酒」。甘く独特の香りを持ち、福山藩の専売品として江戸時代を通じて製造されました。

その名声は、やがて海を越えます。

朝鮮通信使が備後国に立ち寄った際に振る舞われた記録が残っています。外交の場で出された酒として、この小さな港町の名が、朝鮮半島にまで伝わりました。

敷地内には主屋と三棟の蔵が、当時のまま一体として保存されています。蔵の壁に刻まれた痕、石畳の磨り減り方、軒の傾き。すべてが、この場所で続いてきた三百六十年の証です。

試飲の場所も近くにあります。時間があれば、その味をぜひ確かめてみてください。

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